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みらいしごと図鑑

15歳までにヒントあり!おもしろい仕事の見つけ方

ゲストは、楽しいことだけやって食べていけるか実験中
文筆家でイラストレーターの金井真紀さん
金井さんと話していると、なんだか仕事の悩み相談に…

諸岡:私もレポーターとか、文章を書いたりもするんですけど、それこそ専門性がなくって、それが悩みだった時があるんですよね。

金井:うんうん、わかるわかる。

諸岡:レポーターって、自分の見たものををなるべく正確に視聴者の方に伝えるというのが仕事じゃないですか。だから、伝える範囲のことしか自分の中に身についていかなくて、それすらも時間が経つと忘れていってしまう。

金井:そうですよね、うんうん。

諸岡:そういうことがなんかいやだな、私の中に蓄積して行かないなって思ってたんです。

金井:当人は、このくらいみんなもやってるしって思うじゃないですか。私もすごく思うんですよ。こんなこと誰でもできるし、とか。みんながやってることを自分もやってるっていう気持ちにすぐなるんだけど。なんていうのかな・・・1つ1つを深めなかったとしても、諸岡さんと同じようなルートで経験した人って絶対いないじゃないですか。武器っていうか。1つは人とかぶってて2つ目はまあまあかぶってても、3つ4つ5つとかってなっていくともうかぶってないですよ、他の人と。

諸岡:なるほど。

金井:本読むでも新聞読むでも、この番組見るとかでもなんかの音楽聴くでも、そのバリエーションでそれやってる人っていないですよね。当たり前のようにやってる、朝起きてコーヒーいれる煎れ方とか、細かいことがちょっとずつ集まってできてるんだけど、その集まり方は他の人はないんですよね。

諸岡:なるほど。

だからあまり人とかぶるんじゃないかとか、このくらいのことみんながやってるしと思うのもつまんないような気もする、と自分を奮い立たせている(笑)。

諸岡:そうかぁ。

本当に自分のやりたいことって何だろう?大人になっても、ふと悩むことありませんか?

金井:多分、今、諸岡さんとお話ししたことにも通じるんですけど、何気なくやっていることにすでに答えはあるって思うんですよね。これ、ある映画のプロデューサーが言ってたパクリなんですけど、15歳までに1番お金と時間を使ったことが、仕事になるらしいですよ。

諸岡:え!?そうなんですね・・・。

金井:それ以来、結構いろんな人にそういう説があるみたいなんですけど、どうですか?って聞くと、確かに15までの間にすっごい何かのミュージシャンが好きだったとか、繰り返し見てたシリーズがあったとか。そのままスバリ音学聴いてたから音楽家になるとは限らないんですけど、そこにある要素が自分の仕事に・・・言われてみれば根っこにあるなぁ、みたいな。

諸岡:ああ!

金井:15ってもう、後戻りできない相当な昔ですし、子どもからすればわりとすぐ決まっちゃう時期じゃないですか。自我を持って好きなものとか言い出してから15なんですぐきちゃうと思うんですけど。

諸岡:そうですね。

金井:多分だけど、野球部でずっと野球をしてたとしても野球部のどこの要素に熱中してたかはちょっとずつ違うから、それがのちの仕事と関係してくるような。

諸岡:スポーツそのものが好きだったり、野球でもその人自信が何に着目して野球をやってたかってことですよね。

金井:そうそう。だから、野球選手になるってことじゃないと思うんですけど。探しに行かなくてももうすでにあなたのところにあるんじゃないかなって。

諸岡:金井さんもそれ経験されてます?

金井:うんうんうん、それでさっきの(*前回参照)ターケルとかも思い出したかもしれないんですけど。あとね、相撲が好きだったんですよ。

諸岡:また渋い。

金井:中学と高校、電車で通ってたんですけど、放課後、同級生とお茶飲んで行こうとか、喫茶店行こうとかマクドナルド行こうとか、そういうのが帰り道なんだけど、お相撲の場所が始まると、「あ、ちょっと今日場所中だから私帰る」とか言って断って帰ったの。総武線で通ってたんですけど、定期だからどこで降りても良くて、お相撲の取り組みでこれは絶対見逃せないなっていう時間になると、途中下車して町の電気屋さんに行って相撲見てたんですよ。おじさんとかにまじって。それからすっごい長い年月が経って、今度お相撲の本を出すんですけど。

諸岡:わあ、すごい。

金井:あの時、お相撲を見ていたあの中学生に伝えたい!って感じで。

諸岡:本当ですね!!

金井:うん。だからなんか繋がってんですよ。

諸岡:本当だ。

金井:でも、自分は年取って今の感じを振り返ってみても、新しい企画なんかないかとか、次はどんな本を書きたいかとか、連載する企画なんかないですか?とかいう時も、なんか私つい外に探しに行きがちなんですけど、いつも「あっ違う違う、もうすでに中にあるんだ」って思い返して、もうすでにやってきたこととか、家の本棚とかにもう答えは絶対あるんですよね。

諸岡:そっかあ!

金井:そういうふうに昔から自分の内側にあったものから見つけたことだと、多分最後まで走り切れるっていうか。多分、与えられたものだとちょっと辛い時ないですか?なんか、途中で飽きたりとか、最初はできそうかも、面白いかもと思うかもだけど。あ、まあね、若い人はそれでもまた別の学びがあると思うんですけど、年取ってくるともうそんなことやってる場合じゃない感じになってくるから。多分、内側にもうすでにあると思って、いつも企画とかも考えるんですけど。

諸岡:へえ。

金井:パリのおじさんの時も、パリなんか全く興味もないし、行ったこともなかったけど、たまたまパリに住んでるそのおじさんと知り合って、「2人でなんかやりましょう」ってなった時に、いやー、でもフランス語はできないしフランス映画も見てないしフランス文学も読んでないし、ないな!パリとの縁は、って思ったんだけど。ないんです、本当に。だけど、まあ、じゃあ、何があるって思ったら・・・おじさんあるな!と思って。じゃあ、無理やりくっつけておじさんならいいかなあと思って。だからフランスの専門家から見たらすっごい笑っちゃうような仕事だと思いますけど。専門家はでも、もしかしたらやらない仕事かもしれないですよね。

自分のやりたいことは自分の中にすである