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モデルにミステリーハンターも!成功の鍵はあの得意ワザ!絵本作家まで!?
新人モデル時代の苦悩
華やかに見えたモデルの世界。
実際に飛び込んでみるとそこには大変な現実が・・・。
浜島:オーディションに落ちるとさ、自分の存在を否定されたような感覚になるよねぇ。たまたま、イメージの絵コンテと合ってないという、ただそれだけの理由で落ちたかもしれないのに、今の自分の輪郭を否定されたような感じになっちゃって。本当に、生きてる価値がないんじゃないかというくらい「ガーン」って。そんな時でも、やっぱり両親があれだけ反対して、そして応援してくれたから、弱音は吐けないなぁと思って。「よし次!NEXT!」みたいな感じでした。
諸岡:強い!たくましい。
浜島:力になったかな、あの時の両親の反対と応援は。
得意なことは何かを考えた!
コンプレックスの塊だったはまじの転機
浜島:どうやったらたくさんのモデルたちの中で秀でることができるかなって、振り絞って考えた答えが「話すこと」だったの。
諸岡:話すこと?
浜島:私はコミュニケーションをとることが好き。で、話を聞くのも好き、話をするのも好き。彼女たち(活躍しているカバーモデルたち)みたいにストイックに体は鍛えられないけど、みんなとワイワイお酒飲むのも好き。そこで、ミステリーハンター!

諸岡:そこで!
浜島:いやぁ、ミステリーハンターも本当に大変で奥が深いよね。
諸岡:確かに。
浜島:最初は、自分がどうやったら知的に見えるか、
諸岡:あはは、分かる!そこじゃないんだけどね。
浜島:自分がどうやったら知的に見えて、かわいく見えて、キラキラしたオーラをまとっているように見えて、クエスチョンもどうやったらアナウンサーみたいに上手に読めるかなって。
「どこで息継ぎしたらいいかな? では、ここでクエスチョンです、ん!ん!ん!(咳払い)」みたいな感じだったんだけど(笑)。
ミステリーハンター魂の目覚め
でもね、ある日ペルーに行った時に、深い洞窟遺跡に入らなきゃいけなくて、今にも崩れそうな場所だったからか人数制限もあったの。それで、命綱のロープをつけて、ヘルメットを被って行くんだけど、「あ、ハマくんハマくん、僕入れないから行ってきてー、オダワラさんと!じゃあね」ってディレクターに言わ れ・・・それで、カメラマンと私と現地の研究者の方と3人で行って。
そしたら、今まで与えられたセリフを読んでいて、「どうやったらきれいに読めるかな?」だったのに、「え!?自分で考えてレポートするんだ!」と思って。 その時に、確かこれは上から見るとリャマの形になっているって書いてたなって。で、四角い部屋が4個並んでいて・・・
「皆さーん、ご覧ください。こちら、当時の技術の高さが窺える天井、一枚岩になっています。そしてこの部屋は同じく4つ並んでいます。皆さん一体何でだと思いますか?」って。
諸岡:おお、スゴい。
浜島:で、使われないかもしれないけど、一応一拍置いて、「では、ここでクエスチョンです!」
諸岡:えっ!
浜島:「この洞窟、上からみるとある動物の形になっています。いったいそれは何の動物でしょうか?」・・・っていうのをやったの。
諸岡:すごい!
浜島:で、終わって地上に戻って、夜、ホテルの部屋でプレビューするじゃない?もう、めっっっっっちゃくちゃ褒められたの!「ハマくんすごじゃん!やれば出来るねー!」って。
諸岡:あははは、今までどう思ってたのやら。
浜島:その時に、ぶわーっとアドレナリンが出て、自分で考えて行動するとこんなに面白いんだ!って。そこでもうミステリーハンターにはまり、12年やらせてもらったの。その場所ができたからモデルの世界に帰ってからも古巣に戻ってきたっていう感じがして。「あ、メイクさんがいてメイクしてくれる、ありがたい」とか。
諸岡:確かに(笑)。ミステリーハンターは全部自分で、だもんね。
浜島:全部1人でだからね。
夢が叶った状態から、さらに広がる!
諸岡:じゃあ、モデルとミステリーハンターが、それぞれに相乗効果を?
浜島:そう。私にとってモデルはあらゆることの基盤になっていて、お仕事をいただける限り、おばあちゃんになっても続けたい仕事。私は今、夢が叶っている状態をキープしているのね。
諸岡:すごい、すごい。
浜島:だから、夢が覚めないように努力を続けなければとは思ってる。
はまじ、夫婦で絵本を作る
諸岡:モデルさんの仕事をはじめレポーターもやり。で、本を書いたり、そして絵本も作ってるでしょ?本当に多才だよね。
浜島:絵本は、旦那さんと結婚した時、お互いの持ち物を新居に持ち寄りるじゃない?その時にふたりとも絵本がたくさんあって、かぶってるものもたくさんあったの。
諸岡:へええ。
浜島:それで、「あ!絵本好きなんだね」ってなって。じゃあ、いつか2人で絵本を作るのを夫婦の夢にしようって。
諸岡:それ、もう結婚当初から?
浜島:そう。
諸岡:そうだったんだぁ。
浜島:でも、話は考えられるけど、二人とも絵は全く描けないから。まあ、そのご縁があればいつか作ろうねって。そして、11年くらい前かな?平澤まりこさんというイラストレーターさんと知り合って、会話の中で彼女も絵本を作るのが夢っていうのが分かって、「えっ!フー!いい人見つけた!」と思って(笑)。
それがご縁で彼女と絵本を作っています。でも、一冊目の「森へいく」も、2冊目の「シロ」も大人向けに作った本で、
諸岡:うんうん。
浜島:ちょっと抽象的というか、大人向けに作った本。
絵本のモデルになった息子くんの喜びの表現方法とは?
浜島:息子が生まれてから「ねぶしろ」っていうのを作ったんだけれども、これは完全に幼児向け。子ども目線で作ってて。実は、「ねぶしろ」はうちの息子がモデルになってるの。
諸岡:あっ、そうなんだ。
浜島:表紙でねぶしろがはいてる青と赤のレギンスは、あれ、ユニクロ。(笑)
2人:あはははは。
浜島:うちの息子は本当によく泣く子で、起きる時も泣くし、寝るときも泣く。だから絶対一緒に寝なきゃいけなかったの。6歳の今でも一緒に寝てるんだけど。
で、私が「もう、片付けなさい」とかよくガーって言うんだけど、ついさっきまで怒っていても寝る時には絵本を読み聞かせして、「ねんねこねんねこ」って言ってると、私もスーッとクールダウンしていくの。それを彼が、うちの旦那が見ていて、寝かしつける時間って子どもだけじゃなくて、親にとってもいい時間だなって思ったらしいの。さっきまでプリプリ怒ってた私が、「ねんねこねんねこ」って言ってるから。
諸岡:へえ。
浜島:じゃあ、それを題材にした絵本を作ったらいいかなと思ったみたい。
諸岡:素敵。
浜島:でも確かに私自身も振り返ったら、絵本を読んでもらった時間とか、おかあさんにくっついて腕枕してもらった時間とか、今考えたらそれが愛された記憶になって、私の味方になってる。直接「大好きよー。愛してる!」とか言わなくても、その時間がね、そうなっているから、「あ、いいことかなぁ」と思って、それで作りました。
諸岡:そうかぁ。はまじちゃんがまずお母さんに愛された経験があって、それと同じことを息子さんにやってあげているところを見たご主人が、そういう企画を起こしたって、なんかほんとに素敵な流れだなぁ。
浜島:息子はね、「ねぶしろ」を初めて読んだときは、初めて読む、というよりも、作っている過程を見てきたから、完成品を手にしたっていう感じで「ねぶしろできたの〜?」って言ってた。
諸岡:へえ。
浜島:すごく嬉しかったのが、「これ、君をモデルにしてるんだぁ」って言ったら、ニヤニヤ笑って。で、2冊目「ねぶしろとおいしいまる」っていうのを去年出したんだけど、ねぶしろがお母さんの作ってくれたドーナツを持って森に遊びに行く話なんだけど、そのオレンジのバックの表紙を、そっくりそのまま描いてくれて。
ここがこんな風に面白い!って言えないじゃない?まだボキャブラリーもないし、アウトプットの仕方も分からない。だけど表情や態度でありありと伝わるのが面白いよね。何度も読み返したりとか、ニヤニヤ笑って嬉しそうに眺めたりとか、描き写してきれいに塗って再現してくれたりとかが、「あ、喜んでるかなぁ」って。
諸岡:わぁ、確かに。
浜島:それが面白いよね。
浜島直子さんプロフィール:
"はまじ"の愛称で親しまれている北海道出身のモデルで、多くのメディアで活躍中。一児の母。夫との絵本作家ユニット「阿部はまじ」として「しろ」「ねぶしろ」などの絵本を出版。随筆集に「蝶の粉」。
公式サイト:
http://hamaji.jp/
インスタグラム:
https://www.instagram.com/hamaji_0912/