クリミアの天使            てんし ナイチンゲール

負傷兵の看護に貢献し、統計に基づく医療現場の衛生環境の改善を成し遂げた19世紀の女傑。それがフローレンス・ナイチンゲールだ。
1854年、フランスやイギリス、オスマン帝国を中心とした同盟国軍とロシア帝国軍が戦ったクリミア戦争は近代史上稀に見るほどの大戦争――それこそ、世界大戦とよんでもおかしくないほどのものだった。そんな中、前線での負傷兵がまともな治療も受けられず、ひどい環境下で半ば放置されているということが本国に伝えられたことで世論は沸騰。ナイチンゲールもその一人であり、当時は「病人の世話をする召使」という扱いだった看護婦として自らも従軍することを決意するんだ。